「岩塩は普通の塩と違う」といいますが、実際には何が違うのでしょうか。
今回は食塩・岩塩・クリスタルソルトの違いについて、作り方・味といった2つの視点から紹介していきます。特徴を知ることで「使い方のレパートリー」がとても広がるため、ぜひ参考にしてみて下さい。
1 食塩・岩塩・クリスタルソルト 作り方の違い
1-1 食塩の作り方
食塩は海水を火にかけて作ります。海水を火にかけて水分を蒸発させ、その後に残留物を洗浄・選別したものが食塩になります。
そのため、食塩は残留物が少なく、塩気が強い特徴があります。
1-2 岩塩の作り方
岩塩は、干上がった海水の塩分が結晶化したものです。遠い昔、海であった場所が陸地に隔てられることにより海水が干上り、干上がった海水が結晶化したものが岩塩になります。イメージとしてはアンモナイトなどの「化石」と同じです。
岩塩は、海水が干上がった場所の影響を受けます。干上がった周囲のミネラル分を含むため、他の塩よりも色味・ミネラル分が多い特徴があります。
1-3 クリスタルソルトの作り方
クリスタルソルトは、海水を塩田に入れ、太陽や風といった自然の力でゆっくりと水分を飛ばして「結晶化」させたものです。
クリスタルソルトは、完全に自然の生成物である岩塩とは異なり、「海水を自然乾燥させたもの」です。そのため、海水自体のミネラル分を多く含む特徴があります。
2 食塩・岩塩・クリスタルソルト 味の違い
食塩・岩塩・クリスタルソルトは味に関して、大きく違いがあります。
☆食塩
・溶けやすい
・味に「カド」がある、塩っ気がある
☆岩塩
・溶けにくい
・味に「丸み」がある、ミネラルがかなり多い
・場所によって特徴が出る
☆クリスタルソルト
・溶けやすさは食塩と岩塩の間くらい
・味に「丸み」がある
・海水ミネラル特有の苦味がない
岩塩は、生産地による個性がありますが、全体として味に丸みがあります。また、岩塩はミネラルならではの「うま味」を味わうことが出来ます。
クリスタルソルトは、長時間かけて海水の水分を飛ばすことにより特有の「塩気」を抑えているため、とても優しいしょっぱさが特徴です。「海」のミネラルを豊富に含み、健康にも大変良いと言われています。
3 岩塩・クリスタルソルトの使い方
岩塩とクリスタルソルトは、結晶を粉砕する「ミル」を使用してください。岩塩とクリスタルソルトが特に効果を発揮するのは以下の料理です。
☆冷やしトマト
☆生野菜
☆フライドポテト
☆漬物
☆肉(ステーキ)
岩塩・クリスタルソルトは海水の成分が多いことから、「海とあまり関わりのない食材」と合わせると、岩塩とクリスタルソルトの特徴が大きく分かります。
3-3 補足
岩塩・クリスタルソルトの中には、分かりづらい名称をするものがあります。
☆クリスタル岩塩
→岩塩の一種
☆クリスタルシーソルト
→クリスタルソルトの一種
「製造方法」を見ると、それが岩塩であるのか、クリスタルソルトであるのかが分かります。もし気になるのであれば「製造方法」もチェックしてみましょう。
食塩・岩塩・クリスタルソルトの違い まとめ
☆食塩
→海水の水分を熱で蒸発させたもの
・溶けやすい・味に「カド」がある、塩気が強い
☆岩塩
→海水が地上で干上がって結晶化したもの
・溶けにくい・採れる場所によってミネラル分が異なる
☆クリスタルソルト
→海水を自然乾燥させたもの
・味に「丸み」・海水ミネラル特有の苦味がない
食塩・岩塩・クリスタルソルトは、同じ海水から出来ているとは思えないくらい味が違います。岩塩とクリスタルソルトは、言わば「天然のうま味調味料」です。単体でも、隠し味としても料理のレパートリーが広まる調味料ですので、ぜひ試してみて下さい。